飛行場めぐり

定期路線のある空港を見て回ってました

県民9割茨城空港利用なし

前後に省略があることは留意されたい(県政世論調査の総評みたいなものなので)。
 
茨城空港>「利用なし」県民9割 開港から間もなく4年
 

調査は、1968年度から実施し、今回で45回目。9月28日~10月27日、県内在住の20歳以上の男女1500人を対象に調査員が個別面接を行い、73.4%に当たる1101人から回答を得た。

 今回新たに、茨城空港の認知度を調査。利用したことのある路線を尋ねたところ、「利用したことがない」が91.2%で最も高く、「札幌」(4.3%)、「神戸」(4.0%)と続いた。利用したことのない理由として、「そもそも飛行機を利用しない」が57.4%で最も高く、「羽田空港や成田空港を利用するから」が30.2%だった。空港の就航先の認知状況は、「神戸」が54.3%で最も高く、「札幌」(48.6%)▽「上海」(43.1%)▽「那覇」(39.1%)--の順。「就航先は知らない」と答えた県民も32.3%いた。結果について県空港対策課は「まだまだ伸びしろがあるということ。航路を増やしながら、PRと利用促進に努めていきたい」と話している。


最初の段階から疑問なのだが、この調査はただの世論調査みたいなもので、茨城空港を主題としたものではない。
でもまぁ、新たに調査を始めたのだからそれでいいだろう。
キャッチコピーとしてはいい味出していると思う。
 
県民の9割が利用しない空港は必要なのだろうか?。
と言うまえに、ちょっと統計的なお話。
 
茨城空港の旅客実績は10/31迄で国内線817,974人、国際線327,374人、トータル1,145,348人となる。
調査期間と多少かぶっているため、月当たり3万人前後という人数は考慮したほういいのかもしれない。
茨城県の人口は10/1時点で、2,945,824人、増減は前後で450人前後。
 
300万人の9%(札幌・神戸で8.3%に(計算が面倒になるから)推測で中国・韓国を0.7%追加、実際はもうちょっと少ないと思う)というと、27万人となり、これだけの茨城県民が茨城空港を利用したと推計できる。
 
旅客実績の114万人には遠く及ばないが、飛行機というのは大概往復で使うもので、方道だけという人間は多くない。
つまり、延べ人数の旅客実績を実際に使用した人間(「実利用者数」とする)に直すと、114万人からざっくり50%の57万人。
さらにリピートする人はする。自分も既に10数回は利用しているので、それによってさらに実利用者数は減少することになる。
そんな人間がどれだけいるのかは不明、しかし、回数の上では結構効いてくる。
あてずっぽうだが、10%~30%位の人数減少にしてみると、50万人~42万人の実利用者。
ビジネス用途に向いていれば、40%とかにもなると思うが、そんな気配はまるでない空港なので、外してはいないと思う。
 
ここから当初の(茨城県民の空港利用者)27万人を引くと、23万人~15万人、これが県外の利用者で、このうち関東の利用者は茨城県民利用者27万人の大体半数、12~14万人。
関東以外の利用者は1万~11万人(えらい幅になってしまった)だと考えられる。
(日本語的に変なので補足:27万人の大体半数というのは茨城空港のカバーエリア300万のうち茨城県外が100万位だったことに依る計算、12~14万人というのは比例計算で27万人の外側に出る数字)
 
ちなみに、
ちょっと、タイミングがずれてしまうが、神戸市の人口は1,540,474人(12/1)で約150万、千歳市は95,387人(10/1)、札幌市が1,919,122人(9/30)で千歳・札幌あわせて200万。
トータルで350万人の人間が居住しているのに、就航先からの利用者が1万~11万人というのはなんとも少ない。
しかし、魅力度調査で見事(下から)一番に返り咲いた茨城県としては順当な人数のような気がする。
 
さて、
羽田空港の(2012年と少々古いが)旅客実績は6600万人。
羽田空港のカバーエリア、というか首都圏の人口は3000万人である。
旅客実績から実利用者数を茨城空港と同じように(ビジネス用途が多い:リピーターの多い羽田空港なので、
リピートする人を50%にする)計算すると
(6600万人÷2)×(0.5)=1650万人
# 参考(6600万人÷2)×(0.9~0.7)=2970万人~2310万人
 
さらに就航先の人口は、国内だけで7000万人はいる…・。
# 日本の人口は1億2800万らしいので、2800万人は羽田のテリトリーから除外した格好。
茨城空港などと違い、実利用者数の配分はそのまま人口配分だろうと推測できる。
東京都の人口はおよそ1300万人(よりは多い)、神奈川県は900万。
実利用者数1650万人のうち、
ざっくりと214万人が東京都の利用者。
つまり、東京都民の16%しか使っていないわけだ…。
神奈川県にしても同じ。
二つあわせても16%の線は揺るがない。
 
茨城と倍半分の違いがあるが、就航地の数、便数が圧倒的に有利な羽田空港でさえ利用割合はそんなもの。
茨城空港静岡空港を利用するから」なんて人間が茨城同様30%、なんているはずもない。
 
8%以上の県民が利用している茨城空港
実はすごい空港なんだと思っていい。