飛行場めぐり

定期路線のある空港を見て回ってました

「はるな」墜落とアシアナ航空の事故の似通った部分

群馬で墜落してしまったヘリ。
どうあがいても事件性はない。
なので、事故には違いない。

痛ましいと言えば痛ましいのだが。
誰かが判断ミスとしたのかというと…そうでもない。
整備が悪かったかと言えば決してそんなことは考えられず、
無理な気象条件かと言えば、それほどでもない。
パイロットの判断ミスなのかと言えば、言い切れないところはあるけれども、やはり違うだろう。

墜落直前に急旋回をしたということだが、その時の速度は概ね20km/hらしいので、急旋回というよりは引き返したが正解だろうなと見当がつく。
この2分後に150km/hまで加速しているらしい(速度違ったかも)が、ヘリにしたって別に不思議な加速ではない。
ヘリは空中に停止できるが、「停止できる」のであって、基本的に前進していた方が安定しているし、巡航速度はそんなもんだ。

雲にさえぎられたのでとりあえず元来たルートで帰ろうかというのは不思議な話ではないし、同時に頭を雲にさえぎられて高度を上げられないというのは想像がつく。

かつてアシアナ航空が広島空港で事故を起こしているが、
この時の報道でも、滑走路が見えていた状態から見えなるなるまで1,2分。
報告書で確認するとわずか10秒。
場所こそ違えど視程の急変はそんなペースで起きることがあるので、今回も同じような急変があったのだと思う。

その状態でパイロットが離脱を決断した行動をとってなにか問題があるのだろうか?。
そのような視程の急変まで予測して運行判断できる人間がいるのだろうか?
そんな人間なんていない。

今回はあまりにもタイミングが悪すぎたとしか思えない。



ところで、今回のフライト関しては「ドローンではいけなかったのか?」という話がちらほら聞こえる。
実際のところヤマハが撮影に向いたそこそこ長距離をフライトする無人ヘリを売ってる(ヤンマーでもヘリは売っている)。
そこは新たに開発するまでもない。

しかも、そこいらの安物とは違いGPSの自立飛行でお値段1億円。
高いように思えるが、結構安い…用途が極めて限られるということを考慮すると、市町村や県でポンポンと買える代物ではないけど…。
しかも、90kmは何とか飛べて、10~20kgの荷物は余裕とここまではいいが、
元が農薬散布や種まき用のヘリなので、上昇限界2800m…2000mクラスの山が相手では心許ない。

このように考えて今回の作業に無人機を開発したとすると、
機体のがほぼ現行の有人機同等になりそう。
それを自立させて飛ばすのかというと…、かなり怖い。
あいつら(プログラム)は想定の範囲内でしか行動できんのだから、天候の急変には脆弱。
燃料満載の無人ヘリが姿勢をくずして人口密集地に落下とか…地獄絵図まっしぐらよ。
最近はほんとに天候読めなくなってきてるし。