飛行場めぐり

定期路線のある空港を見て回ってました

“ガラパゴス化”した日本の航空の課題?

ガラパゴス化”した日本の航空の課題?
 
本当でしょうか。
私には疑問です。
 
たしかに、日本の航空には疑問がある。
というのは正しい認識だと思います。
パイロットのライセンスが取りにくいというのも事実でしょう。
なにぶんなり手がいませんから、どう転んでも高価格なライセンスになりがちです。
デモこれは仕方がないです。
 
元記事が起承転結がはっきりしているので、すっ飛ばしますが、
転のところで、
「欧米では、空港の数が圧倒的に違いますが、近距離に中小の空港がうまく配置されています。また、ジェネアビ機は定期旅客機の就航する空港を利用していることが多いのですが、日本の空港ではジェネアビ機用駐機場さえないところが多数です。」
との一文が出てきます。
しかし、それは違います。
多くの空港では県の運用する(警察でも消防でも)航空機が普通に駐機しています。
個人の航空機が駐機することはあまりないですが、とめられないわけではありません、需要がないので止まらないだけです。
もしくは近場にもっと別な滑走路を持つ飛行場があったりします。
単に「本人が見たことがない」というだけです。
 
そしてそのあとで、
「エアライン機で空港に着き、エアタクシーに乗り換え目的地至近の空港に着く、というのが当たり前の空の便の利用法です。」
ときています。
諸外国では当然・・・よくある話ですね。
 
そして本題である「“バス・パトカー・自衛隊”などが空を独占」と来ます。
ここはそのまま引用させていただきましょう。
「こうして見ると、日本の航空界の現状はライセンス取得・維持、飛行場、航空会社(小規模)、飛行クラブの経営などに課題が多過ぎ、「トラックやバス(エアライン)とパトカー、救急車、消防車(公用)+自衛隊」ばかりが空を独占するという、世界的にガラパゴス化した存在といえるでしょう。
 エアライン・軍用などと、ジェネアビが共にそれぞれの目的で発展していくのが日本の航空の健全な成長をもたらします。
 また、万が一の災害発生時は、空からの救援が最も迅速で効果的です。こうした防災およびスカイスポーツなど航空文化の普及のためにも、小型機や、さまざまな飛行機航空機に触れ、操縦する施設としてもいろいろなタイプの空港は重要で、都市計画に新しい抜本的な航空・空港政策が必要と思います。」


 
さてこのガラパゴス化して不健全であるかのようなお話ですが、
なぜその他諸々の航空業界が発展しなかったのでしょうか?
元ねたのほうでは「ジェネアビ飛行場開設」という意見が出ていますが、「そもそもそれがうまくいかないのはなぜだ?」ということを考えてほしいです。
そのような小規模な飛行場は「不要」です。
今の空港に一般の小型機を駐機する余地は十分にあります。
既存の飛行場もつぶれる程度にあります。
なぜ「飛行場開設」が必要なのでしょうか?。
既存の空港を利用すればよいだけです、十分にあります。
 
ではなぜその他諸々の航空が発展しなかったのでしょう。
最も典型的な例は「エアタクシーに乗り換え目的地至近の空港に着く」というところです。
日本では「目的地至近の空港」それは到着した空港だったりします。
乗り換える必要がありません。
多少遠い場所であったとしても、バス・電車などの公共交通機関が無駄に発達している日本において「エアタクシー」なんぞ必要ありません。
1,2時間もあれば目的地に着きますし、その価格は(タクシーなどに比べれば)恐ろしく低価格です。
そしてそのような交通を利用することによる利用者の支出は、交通弱者への支援でもあります。
過疎地や山間部のバス路線・鉄道路線を維持するための糧です。
 
そしてビジネス機が必要か?といわれると、これまた疑問です。
新幹線なんぞという高速鉄道が走り回り、近場の飛行場より目的地の方が近かったりする現状でビジネス機の用途はほとんどないでしょう。
航空写真撮影・航空観測というのもありますが、国がネット上でかなり大胆な公開をしています、地形図さえ何の制限もなく閲覧できます。
しかもその利用頻度は決して多くないというのが肝です。
農薬散布にいたっては、そもそも固定翼機で散布することがありません、人が住んでいるのでどうしても手に頼らざるを得ない事情もありますが、いざとなったら軍事転用までされているUAVが飛んできます。
固定翼機が出る幕はありません(北海道ならいざ知らず)。
自家用機を利用する人も居るには居ますが、きわめて限定的です。
なにぶん公共交通が発達しているので「自家用機を利用する」メリットが非常少ないです。
 
また、万が一の災害発生時については、小規模な飛行場が役に立つことはまずないです。
適当な空き地さえあればヘリコが大挙して押し寄せます。
被災3日で7万人規模の自衛官を動かすような国です…、必要なのは陸路。
しかもそれは実際に機能しました、そして災害には脆弱なはずの鉄道さえ迂回路探して物資輸送に使うような国です。
 
 
このように考えてゆくと、
日本の公共交通機関の発達が日本の航空の発展を阻害しているようです。
しかしそれは、健全な公共交通の発展であって、日本の航空における正常な退化の証であると思います。
そりゃぁ、ごく小規模な航空産業をなくすというのは到底承服できませんが。
日本に適合した環境をわざわざ改悪する必要性があるのでしょうか?