飛行場めぐり

定期路線のある空港を見て回ってました

ANAが哀れに思える

ANA会長語る JAL支援の問題」での一説。
「最後の社長になるのではないか」
という話は当たらずと言えども遠からず。

JALを叩くことしかできず、ANAの方向性を打ち出せない。
社長の座は変わったかもしれないが、この近辺は全く変わっていない気がする。
そりゃ787の遅延、MRJの遅延で動くに動けない時期ではあったろうが、次の一手があったのかというと、基本的にJALと同じようなことしかしていないんじゃないか?
しかも、JALは大型機から中型機へ、小型機からリージョナル機へと盛大に舵は切っている。
破綻時に加速はしたが、この基本姿勢はかなり前から変わっていない。
一方のANAはと言えば、いくらかカネがないといっても、JALMRJを30機も(ERJと別に)発注しているのにANAは15+10機、しかも787はANAが盛大に44機も発注している。
正直、JALと比較すると機材の大型化が進んでいるように思える。
ANAが利益出せないのはそのあたりじゃねーの?と勘ぐってしまう。


ともかく、ダイヤモンドオンラインという経済誌の話なので、
JALANA云々言っても仕方がない。
6時間の壁問題をぶち上げたような会社なので話半分でいい。

そんな話の中でとても気になる一文。
JALへの支援策は、全体情報が公開されないなかで、一部の関係者によってまとめられたものだった。オープンにしたら、「これでは公平に競争ができなくなる」という批判が出るのは明らかだったはずだ」
これ、公平に競争ができなくなるといったのはANAだけで、Skymarkなんかは「いいんじゃね?」くらいのノリ。
むしろあの時、もしコトをオープンにしたら大混乱に陥ったは地方空港、そして地方の各地域。
現実問題として、JALの就航地域ではかなり戦々恐々、このあたりは当時NHKが特集していた。

あれは「JALへの支援」というだけでなく、「地方への支援」という側面もあったと思う。
ちょっと軽いところでは、広島空港の滑走路が使えなくなった時、
あれだけでも広島はちょっとした痛手をこうむる結果になった。
もしこれがJAL破綻であれば、JTARACJACやHACの親でもある会社。
沖縄全域、鹿児島の離島、北海道の半分くらいが停止したら…実に恐ろしい。
結果としてかなり重厚な支援を行ったとして、過大な支援であったといえるのかどうか。

そのように考えれば、私はJALへの支援は過大であったとは思えない。


もし、今現在の状態でANAが破たんしたとすれば、JALへの支援と同様の支援が引き出せるだろうか?
正直、JALが破たんした時ほどのダメージは想定できない。
なにせ次々に下っ端に押し付けているのだからANAが破たんしたとしても、ダメージは堪えられる程度に済むだろう。

「公平な競争」というのも大事かもしれないが、
「均等な発展」というのも(少なくとも日本の)政治では重視される。
少なくともあの「ANA会長語る JAL支援の問題」という内容は、経済的には正しい。
しかし、政治的な視点は無く、一方で「儲からない地方など捨てろ」と思っているような節もある。
そしてANAの運行もそれに則している気がする。
経営的には正しい上に、組織もちゃんと機能しているということだが。
それでいのかね?

「均等な発展」、強いては「公共交通機関としての責任」、地方を結ぶという意味。
それを欠如させてはいないでしょうか?
現場が頑張ったとしても、上がそれでは…。