飛行場めぐり

定期路線のある空港を見て回ってました

持続可能な地域航空のあり方に関する研究会 とANA本音はどこなのか?

「持続可能な地域航空のあり方に関する研究会」とは言うものの、
地方航空路線を持続可能なものとするため、従来の取組を超えた地域航空のあり方を模索した研究会。

終結論としては
「長期的な視点で、地域航空を担う組織のあり方自体を抜本的に変えることを検討 すべき」
ということで、
「一社化(合併)又は持株会社 の設立による経営統合の形態を模索していくべき」
という方向性を打ち出している。

これは総じていえば正しいだろう、「地域の会社ならその地域の自治体が支援できる」という認識もあるのだが(というか自分はその意見なのだ…本来は)
JR北海道の赤字と対応では、地元自治体がいろいろ考えている中で北海道が調整を投げ捨てるという職務放棄をやっている(札幌しかないと思っている?)。
このような事実があれば、地域航空会社…というか就航自治体がJR北海道の件と同じ目にあわないとも限らない。
それでは地域航空会社の危機に際して即破綻は目に見えている。

そうであればJAC/AMX/ORC/ANAウィングスの統合は現実味があって(腹は立つけど)良いのではないだろうか?(一応、研究会の取りまとめとしても「実現難易度は高い」としてかなり慎重意見である)



そこでだか、仮に持ち株会社化・合併となったときの対応として大手二社はどのように考えているのか?。
と考察をめぐらすことになるが、今現在の状態で件の会社が
・独立となった場合。
ANAが支援する形になった場合。
・半々で支援することになった場合。
JALが支援する形になった場合。
として影響は大別できる。

前3つに関してはダメージをこうむるのはJAL
最後であればダメージをこうむるのはANA
であろう。
簡単に地域航空会社と入っているが、次回の羽田発着枠に直結しかねない。
恐らく件の会社をうまく取り込んだ方が次回の羽田発着枠を多く獲得できる。

どう見ても研究会の内容が実施されるとJAL不利、ということになりそうだが、
そうとわかれば双方それなりに対応が打てるというもの…


JALグループは各種路線JACからA-Airへと移管を始めている。
たとえJACが別会社となってもJALとして路線が残れば地域への貢献でプラス。
「多少の赤字を食っても羽田の1枠がほしい」ということに対する行動ということで理解できる。

途中から再合流したHACを除けばATRを導入してAMXとの連携を図りつつ(というか選択肢がATRより他にない)、研究会から無視されたRAC(孫会社だし)はDHC8-400CCをローンチして次に進んでもいる。
つまりは次のステップに対して行動を起こし始めているのは間違いない。


対するANAはというと…どうも…何もしていない。
研究会で名前の挙げられた「JAC/AMX/ORC/ANAウィングス」4社の中でANAウィングスだけが次期機材が不明。
ORCもなんだかんだとATRに決め込んでいる。
大型化やむを得ずでDASH8を更新するか、ATRに鞍替えするかしか選択しないだろうに…。
可能性としてはMRJ待ちだが、MRJは離島空港の短い滑走路に対応できるほどの力はないと思う。

前回の羽田配分の時には子会社を合併して自分の枠としてうまく立ち回っていたのだが…。
今回はJAL側の動きが読めていないのか、見ていないのか?
結果的に困るのはANAの従業員だろうに。
それとも何かな、研究会自身に噛んでいたのか。

またはSkyへの支援期間を「自分の物」として計上させて配分を守ろうとしているのだろうか。
それはおそらく悪手だろうが、筋は通りそうで怖い。
青い会社のわりに半分、黒い…嘘、かなり…、でもまぁ強かな会社だし…本気でそれを狙っているかも。

尚、スターフライヤーはほんとに(ファンネルマークが)半分黒い