飛行場めぐり

定期路線のある空港を見て回ってました

危機感のなさ

JALが点検ミス? B787使用中止」(時事通信)
NHKオンラインからの引用(「タイトルはB787 システムのセンサーに不具合」)
1日、4か月半ぶりに定期便の運航を再開した日本航空ボーイング787型機で、2日朝、改修後のシステムのセンサーの1つが正常に作動しない不具合が見つかりました。
日本航空は、飛行の安全に影響はないとしています。

日本航空によりますと、2日午前6時ごろ、出発前の点検を受けていた羽田発北京行き21便の機体で、客室中央の床下にある改修後のバッテリーシステムのセンサーの1つが正常に作動しない不具合が見つかりました。
このセンサーは、煙を封じ込めるためバッテリーを密閉しているステンレス容器に取り付けられたもので、容器の中と外の気圧の差を検知し密閉された状態になっているか確認するためのものだということです。
日本航空によりますと、飛行の安全に影響はないということで、現在、原因を調べています。
一方、点検に時間がかかるため、北京行きの便は、ほかの機体に変更して運航されました。
787型機は1日、4か月半ぶりに定期便の運航が再開され、全日空日本航空によりますと、これまでのところ飛行の安全に影響する不具合は報告されていないということです。
引用完了


時事通信JALの問題として記事タイトルを掲載したのに対して、NHK側は787の問題として記載。
「バッテリーシステム改修時の米ボーイング社の作業ミス」ということらしいので、「JALが点検ミス」というのは(記事のタイミングに拠るが)ちょっと、というかぜんぜん違うと思う。
しかし、ここに突っ込むのはやめよう、空の安全とはなんら関係ない…。
 
ANAも前日にしでかしているが、「ドアを密閉するシール部分に隙間があった恐れ」ということなので、ほぼANAの問題。
JAL側はボーイング側の問題。
気がつきそうな気もするが、毎日バッテリーをあけて隅々まで見るような真似をするはずがないので、たまたまということでしょう。
 
ここで問題(トラブルと訳さないこと)になる点がいくつかあります。
日本航空は「飛行の安全に影響はない」としておきながら、機材を切り替えて運行。
 単にしがらみがなかったというのもありますが、機材の余力があったこと。
 ボーイング社の整備ミスという前例があること。
 このあたりがよく機能していると思います。
 日本航空としては、大変な前例をつかまされているだけに(よい意味で)逃げに回ったともいえる。
 
ANAは「飛行の安全に影響はない」として飛行を続けてしまった。
 「伊藤博行副社長が操縦席に同乗」ということで、ANAに同情の余地はあるものの、この後70分かけて点検をしなおしている、ということはそれなりに異常が問題と思っていたのでしょう。
 「結果として飛行の安全に影響はなかった」のであって、飛行の安全に影響はないと判断して運行したのは誰なのか?「伊藤副社長」か?運行管理か?パイロットか?。
 伊藤副社長だとしたら整備上がりの人なので、危機意識がなくなっているのではないか?
 運行管理ならば整備より機材繰りを優先したということか?。
 パイロットならば論外、結果ドア破損となった場合、無事に緊急着陸まで持っていけたか?
 貨物ドアではあるが、「トルコ航空DC-10パリ墜落事故」「アメリカン航空96便貨物ドア破損事故」などもあり、ドアの破損は十分事故につながる可能性がある。
 
 ANA、危機意識がたるんでいないか。
 研修も受けているだろうに、重大事故は不注意の連鎖によって発生していることくらいわかっているだろうに、インシデント報告も毎日目を通しているはずだろうに…。
 


ところでANAにはドリームライナーが頭の痛い機体だろう、世界で初めてに懲りているかもしれない。
しかし次にはMRJが待っている。
 
夢は美しい、しかし現実は厳しい。