飛行場めぐり

定期路線のある空港を見て回ってました

モスクワの事故について、何かおかしい

モスクワのシェレメチェボ空港で1機が炎上した。
78名中41名が他界されたとのことで、悲惨な事故。

緊急着陸に失敗してしまったのか何なのか、
雷に打たれたという事実はあるし、事故の第一報では「雷に打たれた」というのが原因のように語られたが、
多少こなれていれば、単純な落雷が原因で問題が起きないことくらいはわかるはず。
これは単に、「ほかのTVニュースの伝えたところによると」ということなので単純な「誤訳」ではないだろうか?ということでスルーする。
もっとも、これが、スプライト直撃だったりすればバラバラになるかもしれないが、
離陸直後ということなので、そんなことはないだろう。

にしても、
航空機が「雷対策をしているから大丈夫」というのは都市伝説レベルの話。
雷対策もそんな設計もしてはいない。
それをあたかも「対策している」というのはかなりおかしいのである。

身近なもので例えれば、乗用車や電車が被雷しても乗っている人間がなんともない。
これは金属による遮蔽のためである。
しかし、雷対策で金属による遮蔽が行われているわけではない。
設計したわけではなく「たまたま」金属で囲まれているに過ぎない。
コントローラーが金属で遮蔽されているのも「ノイズ対策」(最近は静かになったのか樹脂製ケースだったりもする)。

航空機にしても、静電気対策が必要という必然から全体が遮蔽され、こまごましたしたモノも金属に覆われたりもする。
決して雷対策をしているわけではない。
なので一発撃たれるとどこから入って、どこから抜けたのか?という確認はする。
結果的に「溶けている」ということだってあるし、放電策がなくなってしまう時もある。

そういえば、先日も一人の方が落雷が原因で亡くなられている。
木の下に逃げ込んだタイミングでの一撃だったらしい。
また、誘雷用にワイヤーを付けたロケットを上げたらロケット無視して制御室が直撃食ったなんてこともある。

雷というのは瞬発力が強すぎてあまりに読めない。



おかしい話はそれくらいにして、
今回の場合も、
着陸の試みは2回実施しているようなので、それほど大事になっていなかったのだろう。


また、着陸前に燃料投棄が実施されていなかったとの話もあるが、
モスクワからムルマンスクまで地図のぱっと見で1200km。
スホーイ・スーパージェット100の航続距離が3000kmのリージョナル機であることを考え、
さらに着陸に際して果たしてパイロットが最大着陸重量を考慮しないか?と自問してみると、モスクワ上空だからという理由で燃料投棄しないというのはかなり考えにくい。
少なくとも着陸をやり直すだけの余裕もあったのだから…。

そうであるならば、当該機は燃料投棄が必要なほど重くはなかった、とみてとれる。
ならば、燃料投棄の実施有無に問題があるとはちょっと思えない。


そこで、1回やり直しをしているという事実は「風の影響」が少なからずあった、と考えることはできないだろうか?。
映像を見ても、方角はわかりにくいがかなりの風は受けていたようだ。
無論風の影響で墜落をするということはまずない筈だが、
風による事故を防ぐためにめわざわざ激しく接地させる、という手はごく普通のテクニックでもある。
それがあまりに激しすぎたのかもしれないし、雷が構造に何らかのダメージを与えていたのではないか?
ということも捨てきれない、むしろ両方が重なった結果という気が一番する。

つまるところ、「時期尚早」という捜査委員会の言葉は実に的を得ている。