飛行場めぐり

定期路線のある空港を見て回ってました

9年間JALは納税を免れる?

「9年間JALは納税を免れる」という話に違和感を感じたので、ちょっと調べてみた。
一応国税局のページを参照しながら(ほかのページも見たりしているがメインはこれ)、
 
調べてみると、どうやら9年間というのは欠損金が繰り越せる期限の話だとわかる。
繰り越せるのが100%なのか、80%なのかよくわからないが(施行のタイミングが…今現在破綻したならば大企業は80%らしい(中小は100%いける))、
 
JALの欠損金は\9,000億、これは税務会計財務会計どっちなのかはよくわからない、
税務会計は税金にかかる会計で財務会計は経営状態の開示を目的としている…らしい。
しかし、10%20%ずれることはないだろうと思うので、この際あえて無視する…。
# でも、財務会計税務会計の視点の違いはかなり大きい。
とにかくこの\9,000億はMAX9年間は欠損金として計上できる。
というか原文を見ると「当該適用年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する」となっているのでどうも命令らしい。
 
とりあえず、「JALの欠損金は\9,000億」なわけだ。
この欠損金を翌年以降、利益と相殺して利益がなかったことにできる。
というのがポイント。
 
JALの利益は(税務会計での利益ではないと思う)。
24年3月期\1,976億
25年3月期\1,858億
2年の合計で\3,834億
よって欠損金の残りは\5,166億。
 
売り上げが順調に推移するとして、あと3年ほどで欠損金食いつぶすと思いますが…。
つまり欠損金で税金をキャンセルできるのは5年間です。
どう転んでも(盛大に倒産するなら別ですが)9年を待たずに税金を払う会社になるのでは?
 
なぜ9年という期間が一人歩きしてしまったのでしょう?。
当初の予想が年あたり\600億位だったと思うので、これならば9年間欠損金を繰り越しても\5,400億分にしかなりません。
欠損金の時効9年のほうが先に来てJALは税金を払い始めることになります。
この9年という時間が独り立ちしてしまったというのが「9年間JALは納税を免れる」元ネタか。
 
どのような表現が正しいのかはわからないですが、
少なくとも「9年間JALは納税を免れる」は誤り。
 


そういえば、
「国管理24空港の収支試算、航空系事業赤字は15空港…2011年度」
という話が突然ニュースにあがっていました。
奇しくも「2012年度」の収支試算が出たタイミングだったりします。
赤字空港の数は確かに、2011年度と変わりませんが、百里、徳島は航空事業だけでも黒字転換(宮崎・鹿児島が赤字に転落)。
わざわざ2011年度をニュースにするって…。