飛行場めぐり

定期路線のある空港を見て回ってました

ANAが嫌いに

そもそも三宅島空港に出向いたときから奇妙なことになっていた。
三宅島空港は三池港のすぐ隣、火山ガス濃度が島で一番悲惨な場所にある。
そんなわけで三宅島空港への便が「火山ガスの影響により条件付運行」となっていてもそれほど驚かなかったし、今現状そのような状態なんだろうなと思っていた。

三宅島にいくまでは…の話。

しかし実際に三宅島にたどり着いてみると状況の違いに驚かされる。
三宅島雄山の火山は警戒レベル2、ただし、近々引き下げられる予定。
火山ガスの影響などほぼなくなっている。
そんなわけで、東京愛らんどシャトル三宅島空港へ戻るらしい(東邦航空新中央航空は親が同じだったりする)。

ANAの就航率は30%程度、下手すると20%台(1日1往復)、搭乗率は40%どまり。
あからさまな赤字運行、1日1往復で拒否られた感もあるが拍車をかけて条件付運行ときた。
とにかくこの欠航率では、三宅島からの確実な予定が立てようがない。
なんといっても当てにならない、つまり三宅島に行く気になれない。

そんなこんなで(機材の都合もあったろうが)結局ANA撤退。
新中央航空の就航へ、結果1日3便、就航率は90%という現実を見せ付けられることになるが、ちょっと待ってほしい。
いくらドルニエの性能がよいといっても60ポイントも就航率が上昇するのだろうか?。
# ドルニエの性能がよいという話も特段聞かないが…。

もしかしてANA就航時と新中央航空就航時に気象に大きな違いがあるのだろうか?
いろいろ確認してみると「風速5m~8mの西風」というのが火山ガスにより影響を受ける範囲。
というのがわかってくる。
もちろんそれ以外に強風やらなにやらの影響があるのは確かだが。

2014年4月から2015年3月(ANA就航最後の2年間)と2015年4月から(新中央航空就航後)の気象情報を比較してみる。
時間はお昼の時間帯の11時から13時までの3サンプル(ANAが就航していた時間をベースとする)、
この時間の観測データに北西~南西の風 4.5m以上、または10m以上の風が含まれていれば「欠航やむなし」として観測結果を見てみる。

サンプル日数730(ANA就航時)438(新中央航空就航時)
風の影響10m以上135(18.5%)69(15.8%)
北北西~南南西346(47.4%)100(22.8%)
北西~南西260(35.6%)100(22.8%)
西北西~西南西177(24.2%)100(22.8%)
欠航する割合(北西~南西の風4.5m以上、または風速10m以上)266(36.4%)149(34.0%)

すると2014年~2016年まで気象に大きな変化はない。
しかも欠航しそうな割合は35%前後。
ANAの欠航率に対して、観測結果から推定できる欠航率とは30ポイント以上の開きがある。
到底誤差ではない、一体その開きはどこから来たものなのだろうか?。
欠航させる必要もない日に欠航した理由は何だろう?

本来定期路線である羽田~三宅島線、
営利企業であるという意見もあるが、公共交通機関
赤字だからという理由での欠航は許されるものじゃない。
ところが「火山ガス」などという口実ができてしまって欠航させる事が容易になった。
それを口実にして「欠航」。
実際には「乗客が少ないから欠航」だったのではないか?

結果、航空路はあっても使い物にならず、就航する船舶に超高速船はなく高速船ですらない。
この状態で帰島することには二の足を踏むのはわかる。
航空路が真っ当に運用されていればまたちょっと違う判断になったはずだ。

ともかく三宅島でANAがやっていたであろう不誠実な運行。
公共交通機関としての自覚がまったくない。
もとよりANAの経営陣は嫌いだが、運行においてもANAを軽蔑しはじめる。